特定居住用宅地等の原則

特定居住用宅地等を理解するためには、まずこの宅地についての趣旨がわからなければなりません。

 

特定居住用宅地に流れている基本理念は、被相続人の生活を支えていた人、及び被相続人が生活を支えていた人を、守っていこうというものです。

 

この観点からみると次の3原則が見えてきます。

1.配偶者最優先の原則

 

配偶者が居る場合には、まず配偶者が優先されます。

何より長年にわたり被相続人の財産形成に無条件で寄与してきた人です。

その配偶者の今後の生活を守っていこうという趣旨です。

したがって、配偶者が取得すれば減額されます。

2.同居親族保護の原則

 

被相続人と起居を共にしてきた親族の、今後の生活を守っていこうという趣旨です。

核家族化し、家族が疎遠になっていく中で、同居して被相続人と生活を共にしてきた親族は、配偶者の次に守るべきであるという意味です。 

しかしながら、被相続人の財産形成に無条件で寄与してきた配偶者に比べ、その度合いは低いため要件が厳しくなってます。

3.生計一親族居住確保の原則

 

たとえ離れて暮らしていても、被相続人が生活の面倒を見てきた親族、または逆に、被相続人の生活の面倒を見てきた親族の、今後の生活のための居住を確保しようという趣旨です。