特定居住用宅地 「家なき子」が取得した場合

「家なき子」とは、自分の持ち家を持ったことがない相続人等が、転勤等により被相続人と離れて暮らしている場合の小規模宅地の特例でした。

 

そもそも「家なき子」とは、正式名称ではなく単なる俗称ですが、いろいろなところで使われているうちに、普遍的に専門家のみならず一般の人も使うようになってしまいました。

 

つまり、それだけ何らかの意図をもって適用することが多く、それゆえ名称だけが一人歩きしてきたといえるでしょう。

 

そこで本来の適用ではなく節税対策にも使われてきた「家なき子」の節税封じが、30年4月から始まることとなります。

 

これにより、予期せぬ適用不可が生ずることが予想され、今後は慎重に適用関係の可否を検討する必要が出てきました。

平成30年4月1日以降の「家なき子」

適用要件

 

1.居住制限納税義務または非居住制限納税義務者の場合は、日本国籍を有すること

 

2.被相続人に配偶者がいないこと

 

3.相続開始直前において被相続人の居住用家屋に同居していた相続人(放棄がなかったものとした場合の相続人を含む)がいないこと

 

4.その取得した宅地等を相続開始時から申告期限まで所有していること

 

5.相続開始前3年以内に取得者、取得者の配偶者、取得者の3親等内の親族、又は取得者の属する同族会社の所有する家屋(相続開始直前の被相続人の居住用家屋を除く)に居住したことがないこと

 

6.相続開始時に、取得者が所有している家屋を、相続開始時前のいずれかの時においても所有したことがないこと