相続税の対象となる財産とは?

故人が有していた財産が金額にしていくらになるかという作業です。相続税はこれを基に課税していくことになります。この相続税の課税の計算を行なう事“財産評価”です。

相続税において課税対象となる財産にはどんなものがあり、それぞれどのように評価するか基本的な考え方を解説します。

現金・預金等

現金は、タンス預金等、故人が銀行に預けていたもの以外のものをいいます。この金額がそのまま評価額となります。 預金とは、銀行預金通帳の残高となります。(銀行預金は残高証明書をとっておきましょう。) ※定期預金の場合は、利息も加算します。(普通預金でも金額が僅少でなければ加算します。)

金銭債権

貸付金、未収の給与等、実際の入金額となります。 実際にまだ入金されていないものについては、契約上の金額となります。 ただし、貸付先が破産しているなどの事情で回収見込みがない部分については評価しません。

有価証券

有価証券は以下の通りの物をいいます。

(イ) 上場株式 故人の死亡の日の属する月、その前月、及び前々月の株価と比較して一番低い株価に所有株式数を乗じて計算します。

(ロ) 非上場株式 会社の規模に応じて、類似業種比準価格、純資産価格を基に評価します。

※非上場株式の評価は、複雑で多岐に渡ります。

(ハ) 国債又は、債券等 額面金額に経過利息を加算します。

(ニ) ゴルフ会員権 取引相場があれば、その取引金額の7掛けになります。(

預託金があればその返戻金を加算します。) 取引相場がなければ、財産評価基本通達の定めにより評価した課税時期における株式としての価額に担当する金額となります。

(預託金があればその返戻金を加算します。)

構築物

構築物とは建造物などの資産の事です。

構築物の価額は、その構築物の再建築価額から、建築の時から課税時期までの期間の償却費の額の合計額又は減価の額を控除した金額の100分の70に相当する金額によって評価されます。この場合における償却方法は、定率法によるものとし、その耐用年数は耐用年数省令に規定する耐用年数によります。

動産

動産とは不動産以外かつ上記の資産以外の物になります。

一般動産の価額は、原則として、売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価します。ただし、売買実例価額、精通者意見価格等が明らかでない動産については、その動産と同種及び同規格の新品の課税時期における小売価額から、その動産の製造の時から課税時期までの期間の償却費の額の合計額又は減価の額を控除した金額によって評価されます。

土地建物(不動産)

イ) 建物の評価 自用建物の評価額=固定資産税評価額×1.0  (マンションは、敷地=敷地面積の評価額×敷地権割合) 貸付用建物(貸家)=固定資産税評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)

 (ロ) 土地の評価

1) 路線価方式 路線価方式とは、路線価を基礎として、奥行価格補正率、側方路線影響加算率、二方路線影響加算率などの画地調整率を使って評価額を求める方法をいいます。

※路線価図はHP等で閲覧可能です。路線価はその都市の公示価格の80%相当額とされています。

 

2) 倍率方式 倍率方式とは、その宅地の固定資産税評価額に国税局長が定めた一定の倍率を乗じて計算した金額により評価する方法をいいます。 ※路線価のついていないは、倍率方式により評価することになります。  倍率評価による評価額=固定資産税評価額×倍率